シニアライフ徒然草

【在宅介護にゴールはあるのか?】

日本は昔から在宅介護の文化だった。地域の高齢者を、向こう三軒両隣の関係で面倒を見る。その中には高齢者もそうだが、小さな子供たちの面倒も見て、ご近所さん達が子供たちの成長を見守っていた。困った時はお互い様、日本独自のこの文化はとても素晴らしく、今よく耳にする「地域包括ケアシステム」の根っこはこんなところにあるのかもしれない。

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介護は突然やってくる

その時は突然やってきます、もしかするともっと前にやってきていた事実を認めず、目を背けている事もあるかもしれません。

年齢を重ねる家族、いつまでも親はしっかりしている、自分たちにとって介護は無縁のモノ、と思いたくなる気持ちもわかります。 しかし、いつ自分の愛する家族が要介護になるか、それはある意味では神のみぞ知る。という事ではないでしょうか。

今や「介護」という言葉を聞かない日が無い程に、世間では聞かれる言葉です。 もし、急に親が、親族が、介護が必要になったら、貴方はどうしますか?

高齢者と言われる年齢になると、「ピンピン、ころり」と最後を迎えたい。と仰る方も少なくありません。やはり家族に迷惑をかけたくない、寝たきりなどになりたくない、そんな風に思うのも当然だと思います。

しかし、「ピンピン、ころり」と最期を迎える方は、現代では非常に少なくなっています。
その理由の一つに、日本の医療技術の向上があります。
ひと昔前なら助からなかった突然死も、今の医療技術では「命」を助ける事ができるケースも多く、たとえ「寝たきり」になったとしても、医療の最前線では救命する事が使命ですから、意識が戻らなくても、生物学上では心臓が動き、呼吸が出来る状態を確保する事で、命を永らえる事ができます。


寝たきりや身体の不自由だけが介護ではない

「寝たきり」にならなくとも、身体は元気なのに、物忘れが多くなる、幻覚のようなモノが見えるなど、認知症の症状を発症する事もあります。

誰もが、「寝たきりや認知症になりたくは無い」と思っているのは当然で、家族も自分の親や祖父祖母はいつまでも元気でいて欲しいと願うのは当たり前です。
しかし、「介護」は、突然やってくる事もしばしばあります。 突然倒れて気が付いた時は「寝たきり」になっているや、しばらく振りに親の顔を見に行ったら、物忘れがひどく認知症になっていた。などというケースは非常に多くあります。

芸能人の方や、著名人の方が自身の家族の介護経験を綴った本やコラムを執筆されるケースも多く、芸能人だから、有名人だから、といっても「親の介護」とは無関係などという事はありません。そのような本には、芸能人や有名人の方が経験した「壮絶」な介護の現状が語られている事が多く、芸能人や有名人のプライドなど何の役にも立たない事がわかります。

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家族が行う介護に必要な事は何があるでしょう?

思いつくまま、簡単に列記してみます。
・時間
・お金
・体力
・精神力
・知識
・笑顔
私が自身の経験も踏まえて、家族が在宅介護をする際に必要なモノは、大きく上記の6つだと思っています。 ひとつずつ詳しく考えてみましょう。


時間

これは要介護者の方をお世話する時間であったり、介護に向き合う時間であったり、そもそも時間が無ければ家族が介護をする事は不可能です。
一人に時間が無くても、他にも家族がいれば、家族全員で割り振りしながらチカラを合わせて介護を行う事も出来るでしょう。


お金

介護認定を受ければ、訪問介護や福祉用具の提供等、介護度に応じて様々な介護サービスを受ける事ができます。
公的介護保険を使ったサービス以外で、介護サービスを受けたい場合は自費で受ける事になります。

例えば、、、
車いすの状態で旅行に行きたいから介護職や看護師の方に同行してほしい。
お部屋が汚れているので大掃除をしてほしい。
など、介護保険適用外や、介護保険サービス超過分のサービスなど、自立であればそもそも使う事の無い費用の出費があります。
自炊をしなくなれば、今まで以上に食費が嵩むかもしれません。


体力

介護は体力のいる仕事です、普段のお風呂などは、訪問介護時のヘルパーさんにお願いできますが、夜間のトイレ介助や、普段の着替え、ベッドから車いす、またはその逆等、要介護者を抱える事も少なくありません。
また日頃の介護では、夜間のトイレ介助などで、睡眠時間を削られる事もあり、日常的に睡眠不足が続く事や、介助する側が寝込む訳にはいかないので、体力的に辛くても毎日頑張ってしまう傾向がみられます。

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精神力

体力があっても、精神力が弱くなれば、積極的に介護が出来なくなることも。
何故自分だけこんな辛い経験をしなくてはいけないのか?
こんな事をいつまで続けなければいけないのか、どんなに頑張っても、その成果が見えないなど、日々の介護のストレスが心を蝕む事もあります。


知識

訪問サービスを受けている時間以外は、そのほとんどの介護は家族が行いますので、家族が介護に対する知識をつける必要もあります。
例えば、車いすに移乗させるときには、どんな事に気を付けなければいけないのか、コツはどうすればいいのか?
要介護者が認知症であれば、認知症という病気に対する理解も必要ですし、もし自宅で痰吸引などをする場合、その技術的な事や、在宅酸素の機械の取り扱い等々、要介護者のお身体の状態に合わせた知識も必要になります、その他介護保険や年金などの知識もあれば、無駄なサービスを排し、本当に必要なサービスをケアマネさんと相談して選択する事も出来るでしょう。


笑顔

このキーワードについては、個人的にはとても重要な事だと思っています。
例えお金が潤沢にあり、時間があったとしても、家族が常にイライラして介護をしている、そんな状況は最悪です。
イライラしたり、怒ったり、その感情をぶつける先が要介護者であった場合、それは一気に「虐待」につながっていきます。
例えば、食事中に何度も食べ物をこぼし周囲を汚してしまう、トイレ介助をしてもトイレ廻りを汚してしまうなど、日常的にそのような状態が続き、イライラして暴言を吐いてしまう、もしくはエスカレートして暴力行為を働いてしまう。そんな危険と紙一重の状態になるのは、想像に容易い事です。

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ゴールの見えないマラソン

今回のテーマ「在宅介護にゴールはあるのか?」
私がよくアドバイスをさせて頂く際にお伝えする「言葉」があります。それは、「ゴールの見えないマラソンを、ずっと笑顔で走れるか?」という事です。

介護をマラソンと並べるのは違うとは思いますが、どんなに優秀な長距離ランナーでも、何百キロ、何千キロの距離をずっと笑顔で走る事が出来るでしょうか。
マラソン選手が20キロ位の距離を笑顔で走り続ける事は出来ると思います、介護も数日間であれば、どんなに厳しい状況でも最終日が見えていれば何とか笑顔で過ごすことが出来るでしょう。
しかし、介護は始まった瞬間から、最終日はわかりません。

いつも皆さんには、「辛くても毎日笑顔で介護ができるのであれば、ご本人にお為にも、是非、在宅で介護してあげてください。」とお伝えします。
しかしながら、笑顔で介護が出来なくなるなら、在宅介護から施設介護へ切り替える事も選択肢に入れるべきだと思っています。

当然施設にご入居頂く場合、費用が必要になります。
特に民間企業が運営する、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などは、毎月十数万円の費用の他に、介護サービスの自己負担額や、医療費、消耗品の費用などが必要なのと、有料老人ホームの場合、入居時費用が必要な施設もあります。
もし経済状況が許すのであれば、お金でご家族やご本人の笑顔を取り戻す事ができる可能性があります。

ご本人にとっては、ご自身がお仕事を頑張って手にしたマイホームかもしれません、ご自宅には家族で暮らした大切な思い出も沢山あります。周りのご近所にも仲の良いお友達が沢山いるかもしれません、通いなれた馴染のお店もあるでしょう。

そんな場所を離れて、見ず知らずの人達との共同生活に対する不安も多く、自分から進んで老人ホームに入りたいと、心の底から思う方は非常に少ないハズです。

ひと昔前は、「老人ホームに家族を入居させる=姥捨て山に家族を捨てる」というイメージも強くありました。
様々なマイナス要因が、老人ホームへのご入居を遠ざける理由としてあります。

しかしながら、ご本人はもちろん、ご家族ご親族でじっくりと話し合って頂き、最善の選択肢として老人ホームへのご入居を決断させるケースは、介護保険施行以降非常に多くなっています。

在宅介護のストレスから解放された分、要介護者である親御さんや祖父祖母にとてもやさしく接する事ができるようになった、とか毎日施設に面会にいって楽しくお喋りをしています。等 要介護者の方とご家族が少し距離を置く事で、家族の大切さを改めて実感できるケースも少なくありません。

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田中 宏信
「関東有料老人ホーム紹介ンター」を運営する(株)エイジプラス東京支社 支社長。自身の両親の介護経験を活かし、同じように在宅介護でお悩みをお持ちのご相談者向けに、老人ホーム選びのアドバイスやセミナーなども行っています。

関東有料老人ホーム紹介センター 10:00〜17:00 ※土日祝は休み 北海道・東北・関東エリア 0120-605-419【通話料無料】