シニアライフ徒然草

植田秀一のシニアライフ徒然草【Vol.5】

高齢者への虐待が社会問題となっている事は周知の事実ですが、皆さん「経済的虐待」をご存知ですか? おそらく虐待と聞くと、暴力や拘束といった身体的虐待をイメージされる方が多いと思いますが、実はそれ以外にも介護放棄、心理的虐待、性的虐待、経済的虐 待といったものが存在します。今回はあまりニュースにはなりませんが、実は増え続け 大きな問題になっている「家族による経済的虐待」について少し触れててみたいと思います。


被害続出!! 家族による経済的虐待

家族による経済的虐待とは主に高齢者の財産や年金 をその家族が本人の承諾なしで使ったり、搾取する事を言います。法律上、親族相盗と言って家族間(配偶者・直系血 族・同居の親族)での金銭の搾取は刑に問われない事や、元々罪を犯している意識が希薄な事もその原因であると思われます。
家族による経済的虐待は身体的虐待と違って第三者 が気付きにくく、また他人の家族間への介入の難しさも あり、発見が遅くなってしまうので注意が必要です。弊社紹介センターでもここ数年、経済的虐待の事例や相談が増えてきていますので、代表的なパターンを挙げてみましょう。


本人未承認搾取ケース

高齢者が家族に金銭管理を任せていたり、任せざるを得ない状況において、本人の了解なしに財産や年金が使われてしまったり、搾取されてしまうケースです。 認知症等で本人が判断出 来ない状況で進行することもあれば、搾取されている事が薄々わかっていても、世話になっている負い目で家族に強く言えない事もあるので厄介です。

極端なケースとしては、自宅の電気・ガス等が止められてしまったり、施設利用料が払えず退去を求められる場合等、深刻な貧困状態になってしまう不幸な例もあり ます。


自分のお金が自由に使えないケース

財産を搾取はされないが、自分の意思で財産を処分したり、お金を使う事を家族が反対したり、制限したりするケースです。もちろん高齢者を詐欺や悪徳商法から守ると言う良 心的なケースもありますが、相続時の財産の目減りを防 ぐため大きな買い物や目減りする可能性のある行為をやみくもに反対したり、妨害したりするケースがあるのも事実です。
弊社の相談でもご本人が気に入って決めた施設の入居を家族が猛反対をし、入居の中止や、安価な施設に変更させられたりする事はよくあります。


成年後見人搾取ケース

言葉の通り、成年後見人になった家族が、財産を搾取してしまうケースです


最後に私からのアドバイス

●早い段階(判断能力のある間)に将来のお金の方針を決めましょう!
ご自身の希望するライフスタイルに必要な資金、相続等の問題を先送りせず早く方針を決めて家族にも理解してもらいます。信頼のおける税理士やファイナンシャルプランナー等のアドバイスを受けるのもいいと思います。もちろん家族とも十分に話し合って後々揉めないことが大切です。

●上記方針決定はついつい先送りになってしまいがちですが、決して早過ぎることはありません 。判断能力が無くなってからでは遅いのです。

●不幸にも搾取される恐れがある場合は多少費用は掛かりますが、信頼のおける法律事務所等に財産管理及び任意後見の契約を結ぶ事も検討すべきです。

最後にこの様な虐待を行う家族は全体のごく一部の少数であり、殆どのご家族は高齢者の自主性を尊重しつつ、高齢者を様々な側面から支えておられると信じております事を付け加えさせていただきます。

植田 秀一
株式会社エイジプラス代表取締役 10年以上の紹介会社運営実績があり、全国の老人ホームのコンサルティングなども手掛ける。