家族も本人も、見学が難しいケース
今回のご対象者様は、叔父夫婦(叔父様80歳代、要介護1/叔母様80歳代、要介護1)、ご相談いただいたのは、姪御様でした。最初のご相談は2015年秋頃、ご相談者様と対象者のご夫妻は、他府県にお住まいで、そろそろ今後の事を考えなければいけない状況になってきているというお話でした。
他府県にお住いのご夫婦、息子様が暮らす神奈川でのご入居を希望
叔父様は、心臓病のためリハビリ病院に入院しており、右麻痺の状態ですが、会話や食事は問題なくできるとのこと。年末近くに退院予定。
叔母様は老健に入所されておりましたが、認知症の症状が進行しており、徘徊が少しあるため老健からも相談されている状況です。
姪御様がお2人の面倒を看ていらっしゃいますが、限界を感じているとのことでした。
対象者ご夫妻には、神奈川にお住まいの息子様がいらっしゃるので、息子様のお近くで施設を探したいということでした。
条件としては、できればご夫婦部屋希望、予算はお2人で40万円~45万円くらい、元気な方がいらっしゃる施設、入居時期は年末から遅くても年明けがご希望でした。
主にご相談者様の姪御様から今後についてのお話を伺ってきましたが、叔父様は認知症ではないので、出来ればご本人様にお話を伺った方が早いと思い、姪御様にご本人様とお話ができないかを確認し、ご対象の叔父様と3人で話を進めることになりました。
そして、今後の流れを簡単にご説明し、早めに見学されることをお勧めいたしました。
お元気な方が多く、介護サービスも受けられるサ高住
姪御様は施設を探す時間や気持ちに余裕がなく、もともと対象の叔父様がご自身でネットを見て、良さそうな施設の資料を請求しているようでした。
既に請求された施設名を聞き、具体的にどのような生活を送りたいかなどを伺いましたが、お元気な方が多く入居されていて、自由に過ごすことができ、必要な介護サービスが受けられるところを希望されておりました。
そこで、まずはサービス付き高齢者向け住宅でご予算に近い施設をいくつかご提案いたしました。
奥様の認知症、ご主人の容体から、長期入居できる施設を再検討
ご希望のエリアは比較的費用が掛かる施設が多く、安価な施設が少ないにもかかわらず、ご入居のご希望者が集中しており、どこの施設も満室で常に待機者が数名いらっしゃるような状況でした。
また叔父様が気になっていた施設も、お元気な方が過ごしやすい施設ゆえに、介護サービスの提供はありますが、現実的に叔母様の徘徊や叔父様のご容体を考えると、その施設は長期入居が難しいと判断して、振出しに戻り再度検討することになりました。
ご相談を頂いてから数日が経過した時点でも、まだ候補がみつからない状況だったので、ご予算の上限を上げていただけるよう相談して、2人で60万くらいの予算で再度ご提案させて頂きました。
お部屋も埋まりやすい時期ということを伝え、状況を整理してなるべくスムーズに転居できるよう、神奈川にお住まいの息子様にもご協力いただき、見学に行けそうな日時を確認しました。
お仕事柄休みが取れない息子様、遠方からの見学ができないご両親
ここで問題になったのが、息子様はお仕事柄、なかなかお休みが取れず、じっくり見学ができない。時間を作れたとしても数十分ということでした。
ご相談者様は、他のご親族様の事でも悩みを抱えており、ご対象者様ご夫妻の事であまり時間を作れないという状況でしたし、ご対象者様ご夫妻も、遠方への外出や外泊は身体的に無理があり、やはり施設見学はできないとのことです。
最初にご見学をして頂く理由をきちんと皆さまにご説明しました。
見学無しでご決断いただくことは、ご入居者様やそのご家族様にとってリスクが高く、入居後施設が気に入らなくて即退去となれば、そこでまた施設を探さなくてはいけなくなります。また、費用も余分に掛かってしまいます。
数十分でも見学を!施設側の協力も得て、無事入居へ
念のため、ご提案した施設側にもご家族様の事情を説明して、最悪の場合はご見学が無しでの入居を了承いただけるよう相談しました。
2施設から了承をいただきましたが、息子様にはとにかく数十分でも構わないので、外観や内装だけでも見学していただき、料金などの説明は後日、お電話やメールにてご案内させていただくということで話がまとまりました。
その後は、細かく電話やFAX又はメールなどで、漏れがないよう手続きを進めていき、見学も短時間で対応いただき無事にご夫婦で入居することができました。
叔母様の徘徊が心配でしたが、現状としては無理なく対応できているので、そのまま施設での生活を続けられているとのご連絡をいただきました。