シニアライフ徒然草

介護サービスと街づくり

介護保険がスタートして16年が経過しようとしています。2025年を目途にした地域包括ケアシステムの拡充、介護保険の財源確保、介護職員の人材確保、わが国が抱える高齢化問題に対応するためには、様々な角度からのテコ入れが必要です。「国がなんとかしてくれる」という時代は遠い過去のモノと考えた方がいいでしょう、我々国民の一人ひとりがこの問題にしっかりと目を向けて、自分達の将来も踏まえて考えなければならな時代です。


施設系介護サービス

介護保険が施行され16年が経過し、現在わが国には様々な高齢者を取り巻くサービスがあります。
一般的に言われる老人ホームでは
特別養護老人ホーム介護老人福祉施設
介護老人保健施設
介護療養型医療施設
養護老人ホーム
介護付き有料老人ホーム特定施設入居者生活介護
住宅型有料老人ホーム
介護付きサービス付き高齢者向け住宅サ高住


老人ホームに類似するサービスでは

認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
サービス付き高齢者向け住宅
軽費老人ホーム(A型、B型)
ケアハウス(経費老人ホームC型)
ケア付き高齢者向け住宅
高齢者向け分譲住宅(マンション)

など、高齢者を取り巻く多種多様な居住系(施設系)サービスがあります。
実際に高齢者施設を選ぶ際には、介護を受けられる方(施設にご入居される方)のお身体の状態や、ご入居になる時期、場所(地域)、ご予算、などいくつかの条件を鑑みながら、施設探しをする必要があります。


超高齢化!??

超高齢化、少子高齢化などといわれるように、我が国の高齢化のスピードは止まることはありません。四人に一人とか、三人に一人が高齢者といわれる中で、ではその実態はどのようになっているのか。

厚生労働省の発表(平成25介護保険事業状況報告年報)では、1号被保険者といわれる65歳以上の高齢者数は3,202万人、そのうち要支援・要介護認定者数は569万人、また介護保険における2号被保険者といわれる40歳~64歳までの人数は4,247万人、うち要支援・要介護認定者数は15万人です。

では、1号被保険者である65歳以上の、要支援・要介護認定者数569万人のうち、どれくらいの方々が高齢者施設にご入居されているのでしょうか。
そこで、同じく厚生労働省の発表資料によると、2015年4月末日時点での、施設系サービス利用者数が90万人、地域密着型サービス利用者数が39万人という事なので、合計すると129万人という事になります。

参考:厚生労働省 老健局「日本の介護保険制度について」

このデータを見ると、実際に施設系サービスを利用している方は、65歳以上の高齢者の中でも4%程度であり、要支援・要介護認定を受けている方の中でも約23%程度であることがわかります。

国が「地域包括ケアシステム」の拡充に乗り出して数年が経過しますが、紆余曲折があるものの、現在様々な事業者が「地域包括ケア」の中核を担うべく介護事業を展開しています。


訪問介護・訪問看護における多職種連携

厚生労働省が唱える「地域包括ケアシステム」の大義は、高齢者の尊厳の保持、自立生活支援、その地域に暮らす高齢者を、可能な限り住み慣れた地域のコミュニティでしっかり支え、その人らしい生活を最期まで続けるシステムを構築すること。と言われています。

冒頭に列記した、施設系介護だけではなく、「訪問介護」「訪問看護」「通所介護」などの在宅系サービスはもとより、「老人クラブ」や「地域のボランティア」「自治会」などと連携を図り、お元気なときから介護が必要になった時でも、地域の社会資源を有効に活用する事で、その地域に暮らし続けるシステムを作ることを目的としています。

2000年に介護保険がスタートしてから、在宅系介護サービスは非常に増えてきていますが、充実した地域包括ケアの提供のために、最近いわれているのは、「多職種連携」です。


在宅系サービスといえば、想像できるのは・・・

「訪問介護」「訪問看護」「居宅支援事業所」「福祉用具レンタル」などが、一般的には想像できますが、これだけに限らず、軽度の介護から、しっかりと在宅での看取りまでサポートできる体制を作るには、例えば「調剤薬局」「訪問診療」「訪問歯科」「訪問リハビリ」その他、介護保険の適用ではなく、自費サービスとなりますが、「高齢者向け買い物代行サービス」や「高齢者見守りサービス」、など介護だけではなく、「医療」「生活サポート」などの分野の職種とも連携を図ることが必要とされています。

国は「地域包括ケアシステム」を2025年目途に、構築させようと動いていますが、では現実はどうでしょう。

分かりやすい地域で比較してみます。
「地域包括ケアシステム」は各地方自治体の「中学校区」エリアでの構築を目指していますが、例えば東京首都圏と、田舎の中山間部では、同じ中学校区エリアでも、人口は当然ですが、訪問介護、訪問看護、訪問診療、などのサービス提供事業者数が圧倒的に数に違いがあり、提供できるサービスが中山間部の方が少ないのが実状です。

人口の密集してるエリアには、介護事業者も多く、在宅系サービスだけではなく、老人ホームなどの施設系サービスも、田舎に行けばいくほど少なくなっています。


地域包括ケアシステム

このように、わが国における介護サービスの充実度は、地域格差があり、国が推進する「地域包括ケアシステム」において、大都市圏以外の地域における、在宅・施設双方のサービスを首都圏ほどでは無くても、ある程度充実させる必要があるような気がします。

しかしながら介護サービス事業を展開するには、働き手が必要であり、人材の確保が必須となりますが、残念ながら介護業界においては、介護保険スタート以来、慢性的な人材不足が続いています。

介護業界の慢性的な人材不足の主な要因は、3Kといわれる職種であること、そして低賃金などの処遇の問題が挙げられます。
介護保険の改正・改定ごとに、介護職員の処遇改善は図られていますが、しかしそれでも山火事の中にコップの水をかけているような程度ではないでしょうか。


介護保険における財源の確保

ドラスティックな介護職員の処遇改善をするには、介護保険における財源の確保が急務であり、年々増え続ける要支援・要介護認定者の介護を賄うだけの、保険料の確保の問題。そのために要支援認定制度の見直しなどいわれていますが、まるでイタチごっこのような状態です。
例えば介護保険料の納付を現在の40歳以上から20歳以上に引き下げる、などの大鉈を振るわない限り、抜本的な解決策が見い出せないような気がします。

●介護保険の財源確保(抜本的な見直し)
●介護人材の確保(外国人就労者の養成含む)就労支援
●地方の介護事業(医療)スタートアップ事業者への補助金などの充実
●介護人材への処遇の大幅改善
●人口分布毎の、介護サービス事業者の平準化(地域格差の是正)
●各地方自治体における、高齢者見守りサービスの実施
●地方への介護事業者の積極的誘致


などなど、言い出すとキリがありませんが、国はもとより国民全員で我が国の高齢者の尊厳を守るための街造りが必要だと感じます。

田中 宏信
「関東有料老人ホーム紹介ンター」を運営する(株)エイジプラス東京支社 支社長。自身の両親の介護経験を活かし、同じように在宅介護でお悩みをお持ちのご相談者向けに、老人ホーム選びのアドバイスやセミナーなども行っています。
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