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  • パナソニック座談会 パナソニックが取り組む 「口腔ケア」の現状と向き合い方

パナソニック座談会 パナソニックが取り組む 「口腔ケア」の現状と向き合い方

パナソニック座談会。今回はパナソニック エイジフリーサービス株式会社が運営するエイジフリー・ライフ大和田のスタッフと協力歯科医療機関のドクターを招き、パナソニックの介護付有料老人ホームが取り組む「口腔ケア」の現状と向き合い方についてお聞きしました。

向かって左から【エイジフリー・ライフ大和田 施設主任・正看護師 池田佐都子さん】【エイジフリー・ライフ大和田 副施設長・介護福祉士 西川英髙さん】【エイジフリー・ライフ大和田 施設長・介護支援専門員 辰巳佐弘光さん】【医療法人 𨸗周会 くろだ歯科医院 理事長 院長 黒田祐彰先生】【医療法人 𨸗周会 くろだ歯科医院 歯科衛生士 益佐織利さん】【聞き手: (株)エイジプラス 住まいるケア担当者】


「口腔ケア」についての 取り組みと現状

住まいるケア➣ さっそくですが、こちらの施設で行われている「口腔ケア」の取り組みと現状についてお伺いします。口腔ケアは、一般的にまだ認知されていないのが現状です。紹介センターのお問い合わせでも「口腔ケアを行なっている施設さんがあります」と説明しても、現状ではどういう取り組みをされているのかをイメージできない方がほとんどです。口腔ケアはまだまだめずらしい取り組みだと思うのですが、こちらのホームではどういった取り組みをされているのか、介護、看護、ドクターそれぞれの立場からお話いただけますか?

辰巳➣ ご入居者にご自分らしく生活いただくためには、食べたり、話をしたりすることが大切だと日々実感しています。食べる、しゃべる機能を維持するには「口腔ケア」、つまり口の中のケアが重要です。日々のケアはもちろん、より専門的なケアを行うために歯科と連携して、ご入居者のQOL(生活の質)向上を図っています。

西川➣ これまで幾人もの高齢者と接してきて、口から食べることの重要性を感じてきました。例えば、ご入居者が入院されて絶食になり、一定期間食べていないと飲む力も噛む力も低下します。
口から食べることができなくなると、胃や鼻から栄養を摂取することになるのですが、そのような場合、どうしても活力が低下していきます。再びご自分の口で食べられるようになるにはどうすればいいのか?私たちは、ドクターと連携しながら口腔ケアに取り組んでいます。

黒田➣ 食べられない状態から食べられる状態にするには、嚥下咀嚼機能だけでなく、口の中の環境を整えることが大切です。
私たちは週に1度の訪問歯科診療で口腔ケアを行なっていますが、週に1回行うのと行わないのでは、数年後の環境が大きく変わってきます。何もしなければ悪くなる一方ですが、診療を繰り返すことで環境の悪化を防ぐことができるのです。訪問歯科診療を行いな がら施設のスタッフと連携して、ご入居者が口から食べられるように口腔ケアを行なっています。

●益さん

益➣ 私は歯科衛生士として、訪問歯科診療のときはドクターとサポーターと3人1組で伺っていますが、その他にも口腔ケアのために別の曜日にお伺いしています。口の中はキレイになればなるほど活発に動きますし、病気の予防にもなります。黒田からもありましたが、口の中の環境を良くして、しっかり食べていただきたいという気持ちで、口腔ケアに取り組んでいます。

池田➣ 看護師の立場から申しますと、口腔ケア誤嚥性肺炎の予防になります。そのため、継続的に口腔ケアを行うことは、健康に暮らしていく上でもとても大切なことです。また、ご入居者の口の中の違和感など、私たちだけでは何が原因かわからないことが多々あります。ドクターや歯科衛生士に診ていただくことで違和感の原因がはっきりしますし、そこで得たフィードバックを日々の口腔ケアに活かしています。

住まいるケア➣ ありがとうございます。口腔ケアがQOLの向上や病気の予防に役立つということがよくわかりました。実際に口腔ケアを行うときはどのような要望を受けてはじまることが多いのでしょうか?

西川➣ ご本人からの要望が多いですね。
認知症の方の場合はご家族の意思を伺って話し合います。ご家族から食べさせてあげたい という要望があれば、ドクターに「どうすればご自身で食べられるようになるか」を相談して、対応させていただいています。

辰巳➣ 少し補足しますと、食べるというのはご高齢者にとって、実は健康のリスクと表裏一体です。例えば、食べることによって食べ物が気管に入り誤嚥性肺炎などを引き起こす可能性があります。そのため、ドクターや歯科衛生士に相談して「どういう食事形態なら安全か」も考えながら口腔ケアを進めていきます。ご入居者やご家族の要望を聞きつつ、慎重に食事と嚥下トレーニングに取り組むことが大切だと思っています。

住まいるケア➣ そのような口腔ケアの取り組みを通して、実際に食事ができるようになったという方も多いのでしょうか?

西川➣ 氷を使って口の中に刺激を与えたり、アイスクリームやゼリーなどの食べやすいものから徐々に試したりして、その結果食べられるようになったご入居者もたくさんいらっしゃいます。
ご入居者やご家族の要望に合わせて、ドクターや歯科衛生士に相談しながら慎重に口腔ケアを進めています。

●池田さん

池田➣ 病院から胃ろうで帰ってこられ、注入食が中心になるかなと考えていたご入居者が、口から食べられるようになったときは、ご本人はもちろんですが、ご家族にも大変喜んでいただけます。口腔ケアの取り組みを通して、ご入居者やご家族から喜びの声を聞けることは、職員全員のやりがいにも繋がっていますね。


「口腔ケア」をスムーズに 行うための連携について。

住まいるケア➣ ご入居者やご家族の要望を受け止め、効果的な口腔ケアを行うには、施設と歯科の連携が重要だと思います。こちらでは、具体的にどのような連携を取られているのでしょうか?

西川➣ 歯科衛生士の益さんに、一から歯の磨き方を教えていただき、その内容を共有して、スタッフ全員が質の高い口腔ケアを行えるようにしています。施設と歯科が一体となり、自信をもって口腔ケアを提供できる環境を作っています。

●西川さん

池田➣ ドクターに診ていただいた後に報告書をもらっています。そこで、ご入居者の状態を直接お伺いするようにしていて「この人の場合はこちらの歯ブラシの方がいいですよ」とか「この辺は食べ残しが付着しやすいので、特に丁寧に磨いてください」とか、とても細か く指導していただけます。看護・介護スタッフにその内容を共有して、日々の口腔ケアの質を高めています。

益➣ 大和田のスタッフの皆さんはとても熱心な方が多くて、口腔ケアについて積極的にご相談を受けています。一緒に診ていただきながらご指導することもありますね。毎日のケアをお一人おひとりに丁寧に行なっていただけているので、口内環境をキレイに維持できていると思います。施設のスタッフが行う口腔ケアと連携しつつ、ご要望を受けた際には嚥下リハビリやマッサージを行っています。

●辰巳さん

辰巳➣ ご入居者が入院中に病院で嚥下のリハビリを行なっている場合もありますので、病院からフィードバックをもらって、状態を確認します。それから、ドクターや歯科衛生士に相談して、リハビリや食事形態を決めていくという流れですね。施設と歯科だけではなく、提携医療機関とも連携しながら、ご入居者が再び口から食べられるように取り組みを進めています。口腔ケアは毎日行うこと、そして適切な形で行うことが大事だと思っています。週に1度の歯科衛生士またはドクターの訪問歯科診療とスタッフによる毎日のケアを実践しながら、ご入居者にいつまでもお食事、お話を楽しんでいただけるようにこれからも取り組んでいきたいと思っています。

住まいるケア➣ 歯科、施設、病院が連携して口腔ケアに取り組んでいるということがわかりました。また施設内でも看護・介護スタッフが、ドクターや歯科衛生士から受けた指導をお互いに共有していて、口腔ケアに対する意識の高さが伝わってきます。口腔ケアはまだまだ一般に広まっていない取り組みですので、口腔ケアの先駆けとしてこれからもどんどん取り組みを進めていっていただきたいと思っています。
本日は貴重なお話をお伺いできました。私どもも紹介センターの業務で口腔ケアについて、しっかり説明することができそうです。お忙しい中ありがとうございました。


協力歯科医療機関のご紹介 「医療法人 阡周会くろだ歯科医院」

理事長 院長 黒田 祐彰 先生
一般社団法人 東淀川区歯科医師会理事 大阪府歯科医師会高齢者保健部員


丁寧なケアと機能向上で見違えるほど変化を

例えば、1週間歯磨きを1度もしないことを想像すると「口腔ケア」の重要性が理解いただけるかもしれません。
僕は大学のときに「2週間歯磨きをしてはいけない」という経験をさせられました。1週間でも嫌でしかたがなくて「今すぐにでも歯磨きをしたい」という衝動にかられたのを覚えています。やっと2週間が経って、歯磨きができたときの気持ちよさは今でも忘れません。

要介護の高齢者の中には、お気持ち的に「もういいか」と、口の中が気持ち悪くても諦めている方がたくさんいます。そんな方々でも、訪問歯科診療で口の中をキレイにすると「気持ちいい」と言ってすごく喜んでくれます。お気持ち的には諦めていても、口の中がさっぱりとする気持ちよさは、いつまでも感じられるものなのです。また、口の中がキレイになると食べ物が美味しく感じられるようになります。そうすると「食べるのが楽しくなる、美味しく食べたいから口をキレイにする」という良い循環を作ることができるのです。

ほとんど口から食べられなくなっていた方に口腔ケアを行い、その後お会いしたとき「本当に同じ方?」と見違えるほどお元気になったケースもこれまでに何度か見てきました。普段の口腔ケアに機能向上のマッサージや嚥下リハビリを加えることで、気持ちが萎えてしまった高齢者に、再び生きる活力を取り戻していただくことができるのです。


食べる喜びを最期の最期まで

私たちが訪問歯科診療のチームを立ち上げて、15年程が経ちます。当時は訪問歯科診療を行う歯科医院はあまりありませんでした。近年では、高齢者の増加に伴って介護施設の数も増え、今では自分たちの取り組みが間違っていなかったと強く実感しています。人間の欲求の中でも「食欲」というのは、最後まで残る欲求です。 食べることができなくなった方々に「食べる喜びを取り戻してもらいたい」その一心で衛生士とともに訪問歯科診療を続けています。

大阪府の歯科医師会でも、最近になって訪問歯科診療をより活発にしていこうという動きがでてきています。今後、最期の最期まで高齢者の方々に食べる喜びを感じてもらうために、大阪府全体で口腔ケア・訪問歯科診療のレベルアップを進めていく予定です。口腔ケアのサポート体制がどんどんと整っていく中で、より多くの人に口腔ケアの重要性を広めていきたいと思っています。

老人ホーム紹介センター 住まいるケア 
北海道から九州沖縄まで、全国で高齢者設や高齢者住宅をお探しの方に、ご希望条件に沿って約4500件の有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅の中から、ご紹介いたします。ご相談実績は年間20000件、相談窓口は関東・東海・関西・九州にございますが、ご相談は全国各地から承ります、お気軽にご相談ください。経験豊富な当社相談員が最適な有料老人ホームや高齢者住宅選びのお手伝いを致します。
関西有料老人ホーム紹介センター【月〜金】10:00〜18:00【土】10:00〜17:00 ※日祝は休み 関西・中四国エリア 0120-65-6774【通話料無料】