シニアライフ徒然草

最高裁判所で認知症患者監督責任に関する裁判

2007年当時91歳の認知症の男性が、妻がうたた寝をした隙に自宅を出て徘徊をした。運悪くJRの線路に迷い込んだ男性は電車に轢かれるという事件の、一審、二審の末に口頭弁論が2016年2月2日、最高裁判所で行われた。一審の名古屋地裁の判決は妻と離れて暮らす子に損害賠償の支払判決、二審では妻にのみ損害賠償の支払いを命ずる判決だった。


最高裁判所で弁論

2016年2月2日最高裁判所で認知症高齢者に関する裁判が行われた。 2007年愛知県大府市に住む当時91歳の認知症の男性が、当時85歳の妻がうたた寝をしている間に屋外へ徘徊。その後誤ってJR線路内に立ち入り、JR東海の列車に轢かれるという痛ましい事故がおきた。 多大な損害を被ったとして、JR東海は高齢の妻と離れて暮らす息子を相手に損害賠償を求める控訴している。

一審の名古屋地方裁判所では、妻と息子に720万円の支払いを命じる判決が下された。 家族側の控訴により二審の名古屋高等裁判所では、高齢の妻のみに360万円の損害賠培養金を支払う判決。 そして2月2日最高裁判所で弁論が行われた。 判決は来月2016年3月1日に言い渡される。


事故責任に関する判決は2016年3月1日に

最高裁がどのような判決を下すかはわからないが、もし家族側に大きな損害賠償が下される判決になれぼ、徘徊を伴う認知症患者の在宅介護に向き合ってる家族にとっては大きな問題を投げかけられることになる。

民法では、家族の責任と明示(民法714条 1 項)されているそうだが、このようなケースでは認知症患者を抱える家族にとっては、他人事で済まされる事では無いだろう。
特に老々介護で、大切な連れ合いの介護を行っている場合など、24時間365日まともに休息などは取れない。まともに熟睡などできない。

徘徊癖のある高齢者は、驚くほど遠方まで徘徊をする事がある。 私自身も、とある高速道路にて、本線と逆方向に向かって歩いている高齢者に出くわした事があり、また私の住んでいる地域では高齢者の行方不明情報がアナウンスされる事も多くあります。

今回男性の家族は、男性が過去に徘徊の経験がある為に、徘徊の予防対策として事前に警察へ連絡、衣服に連絡先を記名、玄関入口にセンサーを設置など行っていたそうですが、それでも僅かな隙をついて男性が外に出てしまったようです。

NHKニュースによると、鉄道各社は相手方に事故原因がある場合は、個々の事情に関係なく損害賠償を求めると回答しています。

認知症高齢者を抱える家族の問題は、奇しくも安倍政権が提唱する、「介護離職ゼロ」「一億総活躍社会」という流れの中で、どのように政府や自治体が考えるのか、政府自治体だけでなく、企業においても大きなテーマであり、現段階で介護が必要な家族を抱えていなくても、いずれその問題が現実問題となって大きく立ちはだかる事は、実は誰もが薄々感じている事では無いでしょうか。

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徘徊の症状がある高齢者を抱える家族にとって、介護離職ゼロ、総活躍社会などは現実的なテーマとして感じる事が出来ないのも事実です。
認知症高齢者を在宅介護する場合、だれが面倒をみるのか?徘徊を防ぐにはどのようにすれば良いのか?

徘徊を防ぐために身体拘束をすれば、家族による虐待と告発される。家族にとってはたとえ認知症であっても、大切な家族の一人である以上、できるだけ元気に明るく暮らしてほしい、そして自分たちも安心して暮らせる生活が欲しいと望むのは当然の事ではないでしょうか。
しかしながら、悲しくもこのような事故や事件は後を絶ちません、もし今回最高裁が鉄道会社勝訴の判決を下せば、認知症高齢者を抱える家族にとって、とても看過できない問題となる事は明白ではないだろうか。


介護離職ゼロ、一億総活躍社会への壁

一億総活躍社会」「介護離職ゼロ」を提唱する政府や、自治体、そして基幹産業企業を含めた政財界がしっかりとこの問題を受け止めて、何らかの政策を打ち出す事ができれば、政府が提唱する「一億総活躍社会」「介護離職ゼロ」政策は少し現実味が出てくるのではないだろうか。


民法第五章(不法行為)第七百十四条

【参考】
民法714条1項(責任無能力者の監督義務者等の責任)
前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。

参考:NHK news WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160202/k10010394671000.html

参考:東洋経済ONLINE
http://toyokeizai.net/articles/-/103228

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田中 宏信
「関東有料老人ホーム紹介ンター」を運営する(株)エイジプラス東京支社 支社長。自身の両親の介護経験を活かし、同じように在宅介護でお悩みをお持ちのご相談者向けに、老人ホーム選びのアドバイスやセミナーなども行っています。

東海有料老人ホーム紹介センター 10:00〜17:00 ※土日祝は休み 東海・北陸・甲信越エリア 0120-605-758【通話料無料】