シニアライフ徒然草

日本ライフ協会 預託金2億7400万円不正流用

高齢者の身元保証や、遺言、金銭管理などを行う、日本ライフ協会が高齢者から9億円の預託金をあずかり、そのうち2億7400万円を事務所資金や、従業員の賞与などに不正流用したとして、毎日新聞ニュースが伝えた。全ての理事は引責辞任。


高齢者からの預託金を不正流用

公益財団法人 日本ライフ協会は、病院などの入院、高齢者施設などに入居をする際に、身元保証、身元引受をする親族などがいない場合、入居身元保証を法人として行ったり、高齢者の見守りサービス、金銭管理、遺言、相続、葬儀葬祭、などを行ってる。
入会には費用が発生し、毎日新聞によると、代表的な契約プランでは、利用者が支払う総額約165万円のうち身元保証料など約106万円は協会に入り、残りの約58万円は将来の葬儀費などに充てるための預託金とされる。

毎日新聞は、契約者約2300人のうち、2者契約の約1600人分の預託金約9億円から2億7412万2941円が引き出され、職員の賞与や事務所開設費などに流用された。このうち約1億5000万円は15年3月までに使われ、その後も、委員会の事前了解を得ずに約1億2500万円を「運転資金準備金」に充て、多くを使っていた。
と報じている。


増え続ける身元保証会社

ここ数年、終活ブームと言われるほど、高齢者の方向けの様々なセミナーが開催されております。内容は遺言や葬儀に基づくものなど。
それと同様に、一般的に士業と言われる業種による、高齢者の身元保証や預金管理、遺言等々へのビジネス参入が相次いでいる。

背景には、数年前まで士業の間でバブル化していた、過払い請求手続き、任意整理の業務が少なくなってきたことが起因しているのではないでしょうか。
多重債務に陥っていた人が、過払い請求や任意整理手続きによって、過払い分の利息が返還されたり、任意整理によって月々の支払いが軽くなるというケースが多く、その手続きの殆どが、弁護士事務所や行政書士事務所が請け負った。
相次いで大手消費者金融会社が、経営を縮小や、大手銀行資本傘下になるほどの、過払い請求、任意整理などの手続きが過熱化し、多くの士業事務所が参入した。
しかしながら、任意整理や過払い請求ブームが落ち着きだした頃に、高齢者向けビジネスにシフトチェンジする士業事務所が増えだした。

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公益財団法人とは

今回事件が起きた、日本ライフ協会の設立は2002年6月、その前年には介護保険制度がスタートした年です。
乱立する高齢者の身元保証ビジネスを行う団体の中でも、どちらかというと古い設立に該当するのではないだろうか。
今回の事件は、1600人から預かった「預託金」を職員の賞与や事務所運転資金に流用するという、「公益財団法人」という肩書に反した行為を行っていた。

※公益財団法人は、公益性のある以下の23の業種に限定されており、税に関する優遇処置もあります。
1.学術及び科学技術の振興を目的とする事業
2.文化及び芸術の振興を目的とする事業
3.障害者若しくは生活困窮者又は事故、災害若しくは犯罪による被害者の支援を目的とする事業
4.高齢者の福祉の増進を目的とする事業
5.勤労意欲のある者に対する就労の支援を目的とする事業
6.公衆衛生の向上を目的とする事業
7.児童又は青少年の健全な育成を目的とする事業
8.勤労者の福祉の向上を目的とする事業
9.教育、スポーツ等を通じて国民の心身の健全な発達に寄与し、又は豊かな人間性を涵養することを目的 とする事業
10.犯罪の防止又は治安の維持を目的とする事業
11.事故又は災害の防止を目的とする事業
12.人種、性別その他の事由による不当な差別又は偏見の防止及び根絶を目的とする事業
13.思想及び良心の自由、信教の自由又は表現の自由の尊重又は擁護を目的とする事業
14.男女共同参画社会の形成その他のより良い社会の形成の推進を目的とする事業
15.国際相互理解の促進及び開発途上にある海外の地域に対する経済協力を目的とする事業
16.地球環境の保全又は自然環境の保護及び整備を目的とする事業
17.国土の利用、整備又は保全を目的とする事業
18.国政の健全な運営の確保に資することを目的とする事業
19.地域社会の健全な発展を目的とする事業
20.公正かつ自由な経済活動の機会の確保及び促進並びにその活性化による国民生活の安定向上を目的とする事業
21.国民生活に不可欠な物資、エネルギー等の安定供給の確保を目的とする事業
22.一般消費者の利益の擁護又は増進を目的とする事業
23.前各号に掲げるもののほか、公益に関する事業として政令で定めるもの

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高齢者の生活を守るべき団体が老後を脅かす罪

私どもの仕事に目を移すと、こういった士業事務所から年に何度も挨拶に来られる。有料老人ホームや、高齢者住宅に移り住みをお考えの高齢者の方のご相談を、直接受けている窓口だからだ。
高齢者施設へ入居を検討されているご高齢者様の中には、ご親族や親しい方もおられず、保証人がいない為に高齢者施設への入居が出来ないとご相談を頂戴するケースもあります。そんな時に100万円~数百万円の預託金などを預ける事で、士業の団体に保証人になってもらい、高齢者施設へご入居を検討される方も少なくない。
もちろん、そういった団体をご存知無い方には、有料老人ホーム紹介センターなどがご紹介する場合もあり、上手にご利用されているご高齢者の方もいらっしゃいます。
一般の賃貸住宅と違い、高齢者向け施設の保証人の意味合いは、もちろん毎月の支払が滞った場合の保証人の意味もありますが、急遽入院が必要になった場合や、ご逝去された場合の保証人や身元引受、などもありこういった保証会社との契約で、どこまでパッケージにするかによって利用料金が変わる。

今回、日本ライフ協会は、預託金を不正利用するという事件を起こし、理事全員が引責辞任するものの、この不正利用された穴埋めのめどは一切たっていないという。
この中には、本当に身内・親族が無く、老後の為に大切に貯めた貯蓄を支払った高齢者の方も沢山おられると思います。そしてその方々に、穴埋めするめども無く、理事が辞任し団体が解散すると、いったい高齢者の方々の今後の身元は誰が保証し、最後の看取りは誰が行うのか。
全ての理事が引責辞任したところで、その理事たちが優遇税制などで肥やした私腹で、被害にあわれた高齢者の方々への賠償するには至らないのではないだろうか。
高齢者ビジネスに参入する事に否定はしないが、特に介護に結びつくビジネスは、高齢者の生活、生命に繋がる部分を担っている事を自覚してビジネスに参入してほしいと切に願う。

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参考:毎日新聞ニュース
http://mainichi.jp/articles/20160119/k00/00m/040/127000c

参考:一般財団法人設立用書類作成代行センター(アーク行政書士事務所)
http://www.zaidanhojin.jp/

参考:公益財団法人 日本ライフ協会
http://www.jp-life.net/

田中 宏信
「関東有料老人ホーム紹介ンター」を運営する(株)エイジプラス東京支社 支社長。自身の両親の介護経験を活かし、同じように在宅介護でお悩みをお持ちのご相談者向けに、老人ホーム選びのアドバイスやセミナーなども行っています。

関東有料老人ホーム紹介センター 10:00〜17:00 ※土日祝は休み 北海道・東北・関東エリア 0120-605-419【通話料無料】