シニアライフ徒然草

株式会社メッセージ 第三者調査委員会による調査結果を発表

「アミーユ」シリーズなどの高齢者施設での転落事故等が多発した株式会社メッセージ(代表取締役 佐藤俊雄 氏)12月7日、第三者調査委員会による調査結果及び当社の対応等に関するお知らせを発表しました。


調査結果発表内容 抜粋

株式会社メッセージは2015年12月7日、第三者調査委員会による調査結果及び当社の対応等に関するお知らせ を発表しました。
以下、一部抜粋
『子会社である積和サポートシステム株式会社が運営する一部の施設において、当該施設の従業員による入居者様に対する虐待等が発生した件につき、各施設の運営状況及び業務管理体制、経営陣によるコーポレートガバナンス体制の構築等の問題点の把握、当該各問題の発生原因の徹底究明及び再発防止策の検討等を行うため、当社と利害関係を有しない外部の専門家から構成される第三者調査委員会を設置し、全容解明に取り組んでまいりました。
今般、第三者調査委員会より、2015 年 11 月 30 日付で、第三者調査委員会による調査の結果判明した事実関係、原因の究明、責任の所在及び再発防止策につき報告することを目的とする調査報告書を受領しましたので、その内容をお知らせするとともに、本 報告書における指摘事項及び提言を勘案し、今後の当社の対応及び再発防止策等についてお知らせいたします。』
とリリースを出しました。


行政報告事項439件未報告

報告書によると平成27年3月時点での、メッセージ積和サポートシステム、の両社が運営する、アミーユCアミーユSアミーユは276施設、同年3月の入居定員数は15085となっている。
グループ社内において、報告対象となるものは 3,731 件(東京都への報告事項を除く他の都道府県への報告事項)あり、そのうち、道府県への報告漏れについては 391 件、市区町村への報告漏れについては 1,526 件存在することが判明した。と調査報告書の冒頭に記載されています。
調査報告書はかなり細かく記載はされており、詳細が明るみになています。
そもそも様々なルールが設定されていたが、報告などのルールを抜粋して確認しても「報告するものとされている」という記述がいたるところに書かれており、全体的な基準や具体的な報告基準が設定されていません。

これは事実上、全社的、上層部、全てにおいて社内の情報共有ルールが徹底されておらず、どこかで上層部への報告が途絶えてしまえば、その報告は報告されるべきところへ報告される前に止まってしまう、というのは明らかです。
問題が発生した際の通報窓口なども設置されていたが、年間にその窓口が利用された回数は2014年で103件、その報告内容のほとんどが、社内や上司に対する不平不満であったといいいます。


事件・事故の概要

【S アミーユ川崎幸町】
・ナースコール外し:当該従業員が何度かナースコールを断線させた事を認める。→虐待の研修を受講させる。

・虐待・暴言:当該従業員と面談→懲戒処分

・窃盗:管理者は、入居者自身の挙動に不審な点もあったとして、盗難であるとの疑いを持たなかった→従業員が窃盗で逮捕、懲戒処分(事業本部長に窃盗の報告が社内でなされていない)

・転落事件(平成26年11月4日):夜勤担当従業員(窃盗容疑で逮捕された同一人物)管理者に報告→各従業員に入居者の観察の強化を指導

・転落事件(平成26年12月9日):夜勤担当従業員(窃盗容疑で逮捕された同一人物)管理者に報告→今後の予防策として緩衝材として植木を植えること等を記載した文書を当該家族に提出。

・転落事件( 平成26年12月31日):夜勤担当従業員(窃盗容疑で逮捕された同一人物)を呼び出して事実関係を確認した。

・溺死(平成27年3月7日):訪室した介護職員が発見、心臓マッサージなどを施す→地区本部長は、積和サポートシステムの役員及びメッセージ社の役員及びお客様相談室に対して、当該死亡について報告しなかった。

・管理者不在:平成27年1月から4月にかけて管理者に複数異動が生じたり、管理者が不在となる期間が生じた。

その他、アミーユ豊中穂積、アミーユ大曾根、C アミーユ瑞穂公園、S アミーユ三鷹新川 、S アミーユ横浜神大寺、などの施設においても、暴行・虐待・火災などの事案が発生しています。


報告書から見えてくる事実

報告書から見えてくるのは、介護施設運営においての最低限のリスクマネジメント、リスクに対する意識の低下、営業主義により本来受け入れ困難な利用者の受け入れ、法令順守の意識の低さ従業員に対する教育、等々が欠如もしくは低下しており、経営陣も含めた情報共有がなされず、現場主義への依存によって、様々な事件事故が発生しても会社全体が重大な事として受け止めていなかった事が伺える。

一般企業であれば通常は重大な問題として受け止めるのが当たり前ですが、今回メッセージグループでは重大事案として扱われていなかったという事、そしてメッセージが上場企業であるにも関わらず法令順守が徹底されていなかった、という点がいまだに信じられません。
民主党政権時代に施行されたサービス付き高齢者向け住宅、所謂サ高住が国土交通省の毎年300億円を超える補助金事業として介護施設業界に一気に普及し、業界大手であるメッセージの施設数増加に拍車をかけたのはいうまでもない。
岡山県に本社を置くメッセージが、首都圏を中心にここ数年一気に施設数を拡大し、入居者募集の営業攻勢をかけるなか、従業員の育成教育が徹底されていたのだろうか。
ひと口に虐待といっても様々な事案がりますが、特筆すべきは同一施設において短期間に転落事故(事件)が3件発生している点ではないでしょうか。
もちろんその他の施設においても、相当数の重大事案が発生しており、その後の対応は従業員に聞き取りをした、もしくは事情聴取した、というフレーズで終わっています。
今回の様々な事案は、新規施設開設のスピードの早さに起因し、従業員募集・採用が追いついていない、もちろん教育研修も表面的なことしか行われていない、プラス上層部の危機意識の欠如などが原因と言わざる負えないと思います。

この一連の責任をとり、代表取締役会長 橋本俊明氏、代表取締役社長 佐藤俊雄氏が辞意を発表したそうですが、この根深い問題を根本的に解決するには、今回の調査報告書に記載されている今後の改善事項だけでは利用者にとっては問題解決にはならないのではないだろうか。

記事 住まいるケア 田中

出典 第三者調査委員会による調査結果及び当社の対応等に関するお知らせ

田中 宏信
「関東有料老人ホーム紹介ンター」を運営する(株)エイジプラス東京支社 支社長。自身の両親の介護経験を活かし、同じように在宅介護でお悩みをお持ちのご相談者向けに、老人ホーム選びのアドバイスやセミナーなども行っています。

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