シニアライフ徒然草

在宅酸素でも自由に暮らせる老人ホームをさがされていたSさんのお話(その2)

前回までのお話は、ガンが見つかった結果、検査を続ける途中で別の腹部大動脈瘤がかなり重篤な状態で発見されたSさん、入院までの葛藤と息子さんとの確執、そして入院から手術、そして芳しくない術後の経過についてお伝えしました。


人工呼吸器からの離脱

前回、市民病院に転院されたSさん。
人工呼吸器を装着しており、かなり細かく管理が必要なので病院からは個室でないと受け入れができない、との要望があり必然的に個室への入院となりました。
市民病院へ転院してからも、何度か人工呼吸器からの離脱にチャレンジをして、入院後約2か月程度かかりましたが、ようやく人工呼吸器を外すことができました。
そしてもちろんカニューレ(※1)も外すことができました。
もちろんいきなり、普通の食事をから摂取する事は難しいので、しばらくは胃ろう(※2)からの食事を行いながら、お口からは食事ができるように、嚥下機能訓練をスタートしました。

※1)カニューレ:気管を切開し気道確保を行ったり、気道内に溜まった体液(痰など)の吸引を行う。

※2)胃瘻(胃ろう)PEG(Percutaneous Endoscopic Gastrostomyの略)内視鏡を使い、胃の内壁に穴を開け、お腹の外からチューブを使って栄養を直接胃に入れる方法です。

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久しぶりのお口からの食事

Sさんにとって、人工呼吸器を外した事で一番大きなことは、声を出して会話ができるようになった事、手術の日から既に半年以上の月日が経過し、その間一度も声を出して会話できなかったSさんは、最初にカニューレを外し、喉の気管切開部を閉じた事で声が出た時には大変うれしそうな表情をされていたそうです。
そしてもう一つ、Sさんを安堵させたのは、喀痰吸引(※3)をしなくて済んだこと。カニューレからのたん吸引は、気管内部に溜まった痰などを吸引するため、吸引されるのは大変苦しくかなりの苦痛を伴っていました。
嚥下訓練を行い、最初に少しだけアイスクリームを食べられた時、Sさんはとてもそのアイスが美味しくて、何度も何度も美味しい、美味しいとおっしゃって喜んでおられたご様子でした。
実は医療センターで胃瘻をされていた際には、胃ろうから食事を注入する時に、何度か息子んさに注入してもらった事があるのですが、食事を味わう事ができないのに、すぐ満腹感があり、食事をしているという気分にはなれないので、Sさんご本人は、口から食事ができるようになった事がとても嬉しかったそうです。

人工呼吸器から離脱することができ、その後在宅酸素療法に移行したSさん、市民病院に転院して2か月が経過した頃、Sさんの身体状況がかなり入院時より良くなっており、病院側から転院を促す話が息子さんにありました。

※3)喀痰吸引:肺から排出される、痰、唾液などの老廃物を吸引器を使って吸引する。


転院を促される

市民病院の医療相談室ソーシャルワーカーさんから紹介された療養型病院(※4)のリストをもとに、息子さんがいくつかの療養型病院へ問い合わせをされたそうですが、なかなか受け入れをしてもらえる療養型病院が見つかりませんでした。
理由はいくつかあったようなのですが、まずお父様であるSさんの身体状況に対して、受け入れをするのが難しいと断られたケース、そして既に手術、入院で7か月以上経過しており、治療に対しての処置が保険でまかなえないというような回答もあったようです。 一番多かったのは、ベッドが一杯(満床)なので受け入れが難しいとの回答が多かったようです。

息子さんが走り回ること1か月、やっと受け入れてくれる療養型病院が見つかりました。Sさんは少し元気になってきたものの、酸素をつけながら歩行器で歩くリハビリをスタートした直後です。
Sさんの希望では歩行リハビリなど、できるだけ前向きなリハビリにて少しでも元気になりたい、という願いを受け入れてくれる病院に転院したいと思っておられました。

※4)療養型病院:療養型病院とは、病状が慢性期になった方、治療よりも長期にわたる介護が必要な高齢者が、医 師の管理下で看護、介護、リハビリテーション等の必要な医療を受けることができる病院のこと

出典 府中病院

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療養病院への転院と気胸

Sさんが息子さんに連れられて転院した療養の病院は、積極的なリハビリを行う設備はあるのですが、なかなかSさんにそこでリハビリを行う事はありませんでした。(これは後で息子さんが病院側から伝えられた事ですが、入院治療での期間が既に経過し過ぎており、こちらの病院でリハビリを医療保険でまかなえない、医療保険点数請求ができないので、積極的なリハビリ治療ができない、でも入院受け入れをしたので我慢してほしい、というような事を言われたそうです。)
Sさんが転院された病院は、療養型病院と言われ主に高齢者の方が入院しておられます。Sさんの入院された病院も、高齢者に方が多く入院をされていました。
実はSさんが入院した際に、最初は個室に入っておられたのですが、入院されて数週間過ぎた頃には大部屋に移されていました。
そのお部屋には、寝たきりで排泄もおむつの方が多く、食事の時間に排泄物の臭いが部屋に充満し、Sさんは早く他の病院に転院もしくは自宅に戻りたいと、息子さんに訴えられるようになりました。

そんな日々が続いていたある日、早く現在の病院から出たいと思っていたSさんは、何とか元気になりたと、自分なりに歩行器を使って病院内でリハビリを積極的に行っておられました。
病院側もSさんの積極的な行動には高評価でしたが、ある時Sさんは突然胸を押さえて病院内で倒れました。

原因は自然気胸・・・

もともと肺機能が弱っている状態で自然気胸を起こしたので急遽、胸腔ドレーン処置(※5)が施されました。
意識が混濁していたSさんが、やっと会話ができるようになったのは、2日後のことでした。
早く退院したくてリハビリをした結果、また元のベッドに寝たきりになってしまったSさん。ドレーンが抜去できたのは10日程度経過した頃でした。

そしてSさんの息子さんが、老人ホームを探されだしたのは丁度その頃でもありました。 当センターにご連絡を頂き、Sさんのご希望でもある、できれば少しリハビリが出来るところで、在宅酸素の状態でも受け入れができる施設、そしてSさんの友人が遊びにこれる立地であること、もちろん息子さんやご親族なども通いやすい場所、できれば綺麗なところ、予算は500万円以内月々の予算は20万円程度、という条件でのご希望でした。
(次回、老人ホーム入居編へ続く)

※5)胸腔ドレーン:胸腔ドレーンとは、「虚脱した肺を元に戻し(再膨張)、肺の内圧を正常に戻す」「胸腔内にたまった血液、浸出液、膿などを排出し清浄化する」このような目的で、胸腔内にチューブを挿入する治療方法です。

出典:ココナス

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田中 宏信
「関東有料老人ホーム紹介ンター」を運営する(株)エイジプラス東京支社 支社長。自身の両親の介護経験を活かし、同じように在宅介護でお悩みをお持ちのご相談者向けに、老人ホーム選びのアドバイスやセミナーなども行っています。

関東有料老人ホーム紹介センター 10:00〜17:00 ※土日祝は休み 北海道・東北・関東エリア 0120-605-419【通話料無料】